佐藤和俊 六段 vs三枚堂達也 六段 第4期叡王戦六段予選
第四期叡王戦六段予選から佐藤和俊六段対三枚堂達也六段戦を解説していきます。
佐藤六段は振り飛車党で順位戦はc級2組ながら竜王戦は2組でNHK杯準優勝の経験があるなど実力者です。
それでは対局を見ていきましょう。
序盤のこの局面で▲6五銀と出れば部分的にはよくある仕掛けです。しかし佐藤六段の工夫を見せます。ここから▲3六歩 △2二銀▲3七桂 △3二金 ▲2六歩 △7四歩 ▲6五銀
と、桂頭の弱点を残したままの意表の仕掛け。桂馬の応援は効きますが自玉も相当薄くなります。ここから佐藤六段が金駒一枚損をして龍を成りこんだのが次図
ここからの三枚堂六段の指し回しが見事でした。
△2七歩 ▲同 玉 △2六歩▲同 玉 △5一銀!
歩の連打で玉をおびき出し、働いていなかった飛車の横効きを通す銀引きは、同龍ならば△6二角の王手飛車。駒損を駒効率で補っていた先手は為す術なく以下十数手で投了となりました。