27年ぶりの無冠

 先日の第31期竜王戦広瀬章人挑戦者が羽生善治竜王をフルセットの末4−3で破りました。このタイトル戦は羽生善治竜王のタイトル通算100期がかかっていたので大きな話題となりました。結果は広瀬章人竜王が誕生し、通算100期とはならなかったわけですが、それだけではなく羽生竜王は失冠したことにより27年間タイトル保持者で居続けたという大記録が遂に途絶えてしまったということでもありました。これによって羽生竜王は名称を改めることになりました。基本タイトルを持っていない棋士は段位を名乗るのですが、名人、竜王に限り過去には元名人、元竜王を名乗る人が居たため、どちらになるのかというのが話題になりました。結局本人の意向により九段を名乗ったのですが、羽生九段は六段以降常にタイトルを保持していたため段位を名乗る機会がなく大きな衝撃がありました。無冠になってしまった羽生九段ですが、これからタイトル通算100期を達成するには何かのタイトル戦の予選から勝ち上がり挑戦者になる必要があります。一番可能性が高いのがA級順位戦です。これは名人挑戦権を賭けて10人で戦います。総当たりで一番勝ちが多かった人が挑戦者になります。羽生九段は現在5勝1敗で2位にいるため近々行われる1位との直接対決を制すれば十分可能性があります。羽生さんは現在48歳で年齢的に全盛期のようにとはいきませんが、どうにかもう一踏ん張りして通算100期を達成してほしいと1人のファンとして思っています。